シニアになってからの老後の1人暮らしにはメリットとデメリットが存在します。
何にも縛られず、誰にも気を使わずに自分だけの時間が楽しめる1人暮らし。
シニアの1人暮らしは寂しいと思われがちですが、これまで家族のために家事や育児に追われていた日々を考えると、本当に気楽で肩の荷が下りたような気分になります。
ただ、やはり高齢ならではの不安もつきもの。
こちらの記事では、老後の1人暮らしのメリットとデメリットについて紹介します。
老後の一人暮らしのメリット
傍目から見ると孤独に思われがちな老後の一人暮らしですが、本人はのびのびして楽しい気持ちでいることがほとんど。
私の母も70代で一人暮らしをしていますが、無理のない範囲で仕事をして孫へのお小遣いを稼いだり、時間のある時は庭の手入れをしたり、自分のために時間を使って楽しく過ごしているようです。
特に高齢女性の1人暮らしだと、自分がやりたいことに思う存分時間を使えて、誰にも気を使わずに1日を過ごせる事に幸福を感じる人が多いです。
「自分だけの住まい」は、言ってみれば「自分だけのお城」ですよね。
誰にも気兼ねせずに生きられる事は、自分なりのライフスタイルを満喫することにつながるのです。
好きなインテリアを揃えたり、手作りした小物を飾ったりと、家の中を自分らしく整えていく過程を楽しむことができます。
ここからは老後の一人暮らしならではのメリットを紹介していきます。
1人暮らしだから時間を自由に使える
家族と一緒だと、食事に洗濯、掃除、買い物など、自分には関係のない用事を引き受ける事が避けられません。
しかし、1人なら「今日は疲れているから1日寝ていよう」「買い物には行きたくないからお茶漬けですませよう」などと、自分の都合のみを考えて生活ができるのです。
疲れた時には誰の目も気にせずゴロンと横になり、やりたいと思ったことはすぐに取り組める。
自由を手に入れた毎日は、シニアにとって理想の生活と言えるのではないでしょうか。
家族のトラブルに巻き込まれずに済む
子供が大きくなって結婚したり孫ができると、いろいろなトラブルが発生することがよくあります。
兄弟仲が悪いと親も巻き込んでケンカになったり、孫の世話を頼まれて大変な思いをしたり。
2世帯で同居している場合は、息子夫婦・娘夫婦が高齢の親に金銭面で頼ってくることも。
1人暮らしなら面倒な家族間のトラブルが避けられるのが、大きなメリットと言えるでしょう。
無駄なお金を使わなくて良い
子供世帯と一緒に暮らしていると、何かにつけて金銭の援助を頼まれる場合があります。
また、孫の誕生日や発表会、季節の行事などのたびに大きな出費を強いられることも多いでしょう。
一人暮らしであればピンポイントでこちらの気持ちをあらわすことができますが、同居だと何かにつけて負担が伸し掛かることもあり要注意です。
金銭的に無駄なことが省けるのも老後の一人暮らしのメリットになります。
老後の一人暮らしのデメリットとは?
老後の一人暮らしにもデメリットはあります。
まず1つ目は防犯面・体力面での負担です。
子供世帯と一緒だと防犯面で安心度が高く、体の調子が悪い時にも助けてもらえます。
1人だと病院に行くのも一苦労ですから、困った時に手助けしてくれる存在があると安心感が全く違いますよね。
次に、今よりも高齢になった時に心配になるのが、最期をどう迎えるかという終活についてです。
老後の一人暮らしは孤独死がデメリット
今は高齢者の一人暮らしは珍しくありませんが、そんな中で問題となっているのは孤独死です。
だんだんと体が弱ってい来ながら老後の一人暮らしを続けていると、そのうち体が動きにくくなったり突然体に異変が起きても助けてくれる人がいなかったり。
さまざまな理由で孤独死に繋がることがありますから、老後の一人暮らしでは健康面を一番気をつける必要があるといえるでしょう。
老後の1人暮らしは増えている!
一昔前は祖父母、両親、子供の三世代が一緒に暮らす事が当たり前でしたが、最近では子供と同居するシニアは年々減ってきて、1人暮らしを選ぶ人が増えているのです。
内閣府の調査では、65歳以上の高齢者が1人暮らしをしている割合は全体の2割程度となっていますが、今後さらに増加すると推定されています。
特に増えているのは高齢女性の1人暮らしで、2015年度の調査では、高齢男性の単独世帯が192万人に対して、高齢女性は400万人で、倍以上の人数になっていました。
男性は家事が不得意という理由もあると思いますが、高齢男性に比べて高齢女性の一人暮らしの方が2倍も多いなんてびっくりですよね。
平均寿命が男性より女性の方が長いということもありますが、女性は1人暮らしを始めた方がのびのびできて長生きができるのかも知れませんね。
嫁姑で揉めるのは嫌だから
以前は2世帯で同居して嫁姑が険悪になったり確執ができるということがよくありましたが、嫁も姑も、家庭の中で揉めたいなんて思っていません。
一緒に暮らして険悪になるくらいなら、離れて暮らした方がマシ。
という気持ちも、高齢女性が1人暮らしを選ぶ理由になっているのではないでしょうか。
高齢になると1人では家事をこなしにくくて大変な面もありますが、だからといって息子夫婦や娘夫婦の世話になって肩身の狭い思いをするなら、少々不便でも1人で暮らした方が気楽で自由だと考える人も多いです。
老後の1人暮らしは楽しみ色々…
内閣府が1人暮らしをしているシニアを対象に行なったアンケートでは、1人暮らしをしながらも友人や知人との食事やおしゃべりを楽しんだり、旅行やスポーツを楽しんでいるというシニアが多かったです。
1人暮らしというと孤独にしているように思われがちですが、今のシニアはとてもアクティブで、できる範囲で色々なことに挑戦して楽しんでいます。
ネットを活用すれば外に出なくてもさまざまな情報が簡単に手に入りますから、近所にある映画館の上映スケジュールや美術館の展覧会の予定を見て、日にちを決めてでかけるのも良いですね。
そうした趣味に費やす時間も、家族と住んでいるとなかなか手に入らないものです。
1人暮らしだからこそできること、使える時間、自分らしく有意義に使えることで幸せを感じている「おひとりさま」の高齢者はすでにたくさんいるのです。