2025年2月26日、「週刊文春」にて 「斎藤元彦の最暗部『4億円パレード補助金』《証拠公文書を全公開、信用金庫2社から重要証言》|短期連載『冷血の知事』(2)」 という記事が公開されました。
斎藤県知事をめぐる騒動は収束する気配がなく、登場人物が多い上に、不審な出来事が次々と明るみに出ています。
その原因の一つと考えられているのが、「優勝パレード問題」です。
今回の「週刊文春」では、新たな情報も明らかになったため、分かりやすくまとめていきます。
斎藤元彦の最暗部『4億円パレード』とは?
この問題に関して、自ら命を絶った元県民局長の告発文によると、優勝パレードには以下のような問題点が指摘されています。
優勝パレードの経緯と問題点
2023年11月23日、プロ野球「阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレード」を実施。
当初は県費をかけずに、クラウドファンディングや企業の寄付で費用を賄う方針でした。
しかし、寄付は集まらず…
資金不足の発生
必要額には大きく届かず、資金不足が発生。
不透明な補填方法
- 信用金庫への県補助金を増額
- その一部を募金としてキックバックさせ、不足分を補填
このように、本来は県費をかけないと言っていたはずのパレードに、間接的に県の補助金が使われた可能性があることが問題視されています。
そして、パレードの担当課長は自ら命を絶ちました。
しかし、兵庫県側はこの訃報を職員にも公表せず、週刊文春が報じるまで隠していたとされています。
告発を裏付ける証拠も…
元県民局長の告発文の信憑性はどうだったのかというと、週刊文春の報道によって、告発を裏付ける事実が明らかになっています。
問題の補助金の出どころ
- 問題となった補助金は、「中小企業経営改善・成長力強化支援事業」の予算。
- 国の「コロナ臨時交付金」を活用し、県内の信用金庫などへの補助金として使われる予定。
県の内部文書による不審な動き
- 2023年度12月補正予算の「査定資料」 では、当初の補助金額は 1億円 だった。
- しかし、翌日(11月10日)には4億円に急増 していた。
- その後、但陽(たんよう)信用金庫(加古川市)から 300万円の寄付を受けた 記録もある。
- 寄付の記録は元県民局長の告発と一致するような経緯を示している。
補助金のあまりにも不自然な増額
- 県の「支出負担行為書」 によると、補助金の金融機関への支出額が大幅に増額している。
- 但陽信用金庫:当初 950万円 → 3287万5000円 に増加。
- 尼崎信用金庫:当初 770万円 → 6700万円 に増加。
- ゼロだった金融機関にも数千万円単位の支出が発生。
- 事業費全体も、当初7670万円から最終的に3億9995万円にまで膨れ上がった。
なぜ補助金はここまで増額されたのか?
補助金が増額されたあとに金融機関からの寄付金が一気に集まっている理由は…。
金融機関の関係者は、片山元副知事から何度も寄付金の増額を依頼されたことを証言しています。
臨時交付金の全額使用
- 文書には、手書きで 「全額臨時交付金」 と記されていた。
- つまり、すべて国の臨時交付金が使われた ことを示唆している。
こうした不審なお金の動きには、すべて斎藤知事と片山副知事が主体的に関わっていたことを示す「口頭メモ」も文春に掲載されています。
百条委員会の妨害と維新との関係
疑惑のパレード について、片山元副知事が追及された百条委員会は非公開で開催されました。
しかし、兵庫維新の会の増山議員が無断で録音し、カラオケボックスで「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏に提供していたことが明らかになっています。
さらに、この “暴露音声”自体が、片山元副知事と増山議員による自作自演だった可能性が指摘 されています。
つまり、片山氏は録音される前提で発言し、その内容も事前に仕組まれていた可能性がある というのです。
百条委員会での“仕組まれた”やり取り
- 本来、この 百条委員会は、斎藤県知事の疑惑を追及する場 だった。
- しかし、増山議員の質問は 斎藤知事ではなく、県民局長の公用パソコン に関するものだった。
- 「クーデターを起こす」「革命」「逃げ切る」 と書かれたメールについて言及すると…
- 片山氏は待ち構えていたかのように話題をすり替え、「倫理上問題のあるファイルがありました。当該本人の不倫日記です」と発言した。
このように、百条委員会の場を利用し、本来の論点を逸らす意図があったのではないか との疑念が浮上しています。
兵庫県の闇はまだ深そう…
週刊文春では、片山氏が騒動後に維新のポストを用意されていた可能性についても報じています。
片山氏と記者の間で、以下のようなやり取りがあったとされています。
片山氏へのインタビュー
—— 副知事を辞めた後は維新のポストが用意されているという噂がありますが?
片山氏:「はあ? ほんまかいな? ほんとにか? それ、それ、それは、なんなん?」
—— 維新の岸口県議と仲が良いと聞いていますが?
片山氏:「そんなん、自民党もみんなやん」
片山氏の言葉からは、明らかに動揺している様子が伝わります。
こうした状況を踏まえると、まだ多くの疑惑が隠されているのではないか と感じざるを得ません。
