ストレスがたまったり悲しい気分だったりすると、普通だったら食欲がなくなって痩せてしまいそうな気がしますよね。
でも、実際は、悲しい時に人は太りやすくなるのです。
しかも男性より女性の方が、悲しい時に太る傾向があります。
仕事場のストレスや失恋のショックで太ってしまう女性はなぜ多いのか、今回は「悲しいと太る」理由と、対処法をまとめました。
悲しいと太るのはホルモンのせいだった!
悲しい、つらい、もう嫌だ…
そんな気分になった時、本来なら食欲が無くなりそうなものですが、なぜか胃からは「グレリン」という食欲増進ホルモンが分泌されます。
グレリンは胃から分泌されるホルモンですが、その分泌が脳に伝わると、満腹中枢が刺激されて食欲が増進するのです。
グレリンの分泌で食欲が出る理由
グレリンの本当の役目は、体の中のエネルギーが足りなくなった時に、脳に伝えることです。
もうすぐエネルギー不足になって体が動かなくなるぞって時に、
「なにか食べないとやばいよ〜」
「エネルギーを補充して!」
と、脳に教えてあげるお仕事をしているわけです。
しかし、悲しい時やストレスが溜まっている時には、エネルギー不足の状態ではないのに、勝手に「エネルギーを補充しろー」って、言ってしまっています。
これは、ダイエット中の人にとってはありがた迷惑なシステムですね…
ですから、それに従ってどんどん食べてしまうと、必要以上のカロリーを摂取することになって太ってしまうのです。
特に女性が太りやすい
悲しい時のグレリンの分泌で太りやすいのは、女性の方が多いそうです。
その理由は、女性の方が「共感脳」が強くて、悲しさやストレスを感じやすいことが原因にあります。
女性は、自分自身がつらい時はもちろん、友達に何か問題が起きた時、また、泣ける映画やドラマを見た時なども、まるで自分に降りかかったことのように共感して悲しくなってしまいます。
そうするとグレリンが分泌されるので、一時的に食欲爆発状態になり、欲するがままに食べまくってしまう女性も多いのです。
逆に男性は、自分以外の人に対してそこまで感情移入することがないので、グレリンが無駄に分泌されることも少なくなっています。
グレリンの分泌をおさえるには?
必要な時に正常に分泌される時は良いですが、空腹でもないのに、間違ったタイミングで食欲増進ホルモンを分泌されるのは困ってしまいますよね。
ストレスが溜まっている時や、悲しい時に、空腹と関係なくグレリンが分泌されてしまうのを止める方法はあるのでしょうか?
レプチンを正常に保つ
グレリンが無駄に分泌されることを防ぐには、満腹中枢を刺激するレプチンの分泌を正常に保つことが必要になります。
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、食事を摂った時に分泌され、満腹中枢を刺激します。
そうすると脳は「お腹いっぱい」と感じるので、それ以上の食べすぎは防ぐことが出来るのです。
ただ、太って体脂肪が増えると、脂肪細胞であるレプチンの受容体が鈍くなり、「満腹」を感じにくくなってしまいます。
その結果、満腹よりも空腹の方を強く感じるようになり、どんどん食欲が暴走を起こします。
ですから、ストレスでグレリンを過剰に分泌させないためには、まずは体脂肪を減らしてレプチンの受容体を強くして、満腹中枢への刺激を正常に行なえるように整えなくてはいけないのです。
体脂肪を減らすには5時間以上の睡眠を
レプチンを強くするために体脂肪を減らすなら、食事制限でダイエットをするのも良いですが、一番効果的なのは5時間以上しっかり眠ることだといわれています。
というのは、睡眠時間が少ない人ほどグレリンの分泌が多くて、レプチンの分泌が少ないという研究結果があるからです。
睡眠不足はストレスや抑鬱にも繋がりますから、食欲増進ホルモンが暴走しないためにも、しっかり眠ることが大切なようです。