前歯を差し歯にする時には、保険が適用されるプラスチックやレジンにするか、保険外のセラミックにするかの選択肢があります。
見た目が良くて長持ちするというセラミックですが、1本ずつの値段が高いのがデメリット。
とはいえ、保険適用が受けられるプラスチックやレジンだと、歯が黄色く見えたり根元が黒くなるのが気になるんですよね…
実は、私は7年前に前歯を差し歯にすることになり、どっちにしようか悩みまくりました。
結局セラミックを選んだものの、主婦が自分のために使うお金としては高額だったので、最後の最後まで迷って決めたのです。
ということで、今回はその時のことを思い出しながら、
- セラミックの差し歯にするためにかかった費用
- 差し歯が完成するまでの期間
- セラミック差し歯にする治療の痛み
- 差し歯完成後の経過
- 歯茎が腫れて膿がたまってしまった時の治療
などを、まとめて口コミしてみようと思います。
歯の治療のことってなかなか周囲に相談できないので、差し歯を検討している時の参考にしてもらえれば嬉しいです。
前歯の歯並び「差し歯」か「矯正」どっちが良い?
前歯を差し歯にする理由は、大体2つ考えられると思います。
- 虫歯の治療
- 前歯の歯並びの矯正
私の場合は、「歯並びを矯正したかったこと」が、前歯を差し歯にするきっかけでした。
でも、虫歯でも無いのに差し歯にするのはもったいないと、歯医者さんには止められました。
「悪くない歯を削って神経をとるなんてやめた方が良い」
「矯正をした方が仕上がりも綺麗だし、費用もあまり変わりません」
いつも通っている歯科医のN先生は、親身になって相談に乗ってくれました。この先生は女性で年齢も同じくらいなので話しやすいです。
矯正で歯並びを直すのが一番良いけれど…
N先生から矯正をすすめられ、一瞬迷いました。
全く何も問題がない健康な歯を大きく削って神経を取るのって、歯科医からするとすごく抵抗があるのだそうです。
虫歯でもないのに削るなんて…という感じで、すごく残念そうにしていました。
私自身もできれば差し歯にはしたくなかったのですが、子供がいるおばさんが今更歯の矯正をするのって、なんだか少し恥ずかしいように感じて、悩みましたが歯列矯正は選べませんでした。
大人の歯列矯正は増えている!
大人になってから歯列矯正して歯並びを直す人って最近は増えていますよね。
歯科医のN先生も、「40代くらいから始める人も時々いますよ〜」と言っていました。
でも、自分のようなオシャレにも疎い普通の主婦が今さら矯正器具を歯につけているのって、ちょっと考えられないんですよね…。
矯正するとなると2年くらいはかかるようなので、すでにおばちゃんになっているのに何年もかけて歯並びを治す気力もありません。
それに、親戚やママ友に説明するのも煩わしいですし、「いきなりどうしたの?!」とビックリされそうな気がします。
ということで、「矯正は嫌だから差し歯にしたい」と、N先生に伝えました。
前歯の歯並びを直そうと思ったきっかけ
大きい2本の前歯に段差があることが、子供の頃からコンプレックスでした。
人から見るとそれほど気にならないと言われましたが、自分ではやっぱり口を開けてすぐに目に付く前歯がガタガタにみえるのが嫌で、大きな口を開けて笑うのとかが本当に無理だったのです。
「なんとかしてこの段差を治したい」
ずっとそんな風に思っていたので、子供が通っている歯科医院でN先生に出会い、「この先生なら相談できるかも!」と思ったのでした。
これまでは男性の歯医者さんばかりだったので、歯並びのことを相談するのが何となく恥ずかしかったんですよね…
女性の歯医者さんで、しかも何でも相談できる優しい雰囲気の先生なので、これまでの悩みを自然に打ち明けることができたのです。
前歯の差し歯は保険適用かセラミックか
セラミックが高額だと言うのは以前から聞いていたので、前歯を差し歯にすると決めてから、保険適用での治療にするかセラミックにするか迷いました。
でも、見た目を気にして差し歯にすることを決めたので、
せっかく差し歯にするんだから良いものにした方が良いだろう!
という気持ちがあり、セラミックに決めました。
私は前歯2本をきっちり並べて欲しかったので2本分の値段を考えていたのですが、N先生に聞くと、
「2本だけを差し歯にしてもキレイに並ばないので、隣の歯も合わせて3本を差し歯にする必要がある」
と言われました。
「3本の健康な歯を削って神経を取って差し歯にするのか…」と複雑な気持ちにはなりましたが、確かに、段差でずれた前歯のせいで隣の歯も歪んで生えていたので、綺麗に並べるならそこまで治さないとダメだなと納得しました。
2本だと思っていたら3本になったということで、金額も高くなってしまいますが、どうせやるならきれいに並ばないと意味がないですからね。
前歯3本をセラミック差し歯にした値段
前歯をセラミックの差し歯にした費用は、
3本で22万円
でした…
普通の相場より高いのか安いのか分かりませんが、審美歯科でやってもらうよりは格段に安いと思います。
22万円を現金で支払ったのですが、歯医者に札束持って行くのがちょっと不安だったことを今でも覚えています。
高額だからか、3年間の保証期間がついていて、不具合があれば無料で治療したり交換したりできると言われました。
(定期点検が半年ごとにあったのですが、結局行かずに放置してしまいました…)
費用の内訳は確か、前歯2本が8万円ずつと隣の歯が6万円だったと思います。
主婦にとっては結構なお値段だと思ったのですが、ライターとして稼いだお金でまかないました。
保険適用の差し歯だったら1本で1万円もかからないので、それに比べるとすごい金額ですよね…。
奥歯の銀歯とかでもそうですが、歯科の治療費って、保険適用か保険外かで治療代の差が大きすぎるように感じますね。
保険外だと病院によってセラミック差し歯の費用が全く違うので、事前確認が大切だと思います。
お金のことを聞くのは勇気が必要ですが、知らないうちに膨大な治療費がかかると怖いですからね。
前歯を差し歯にするための期間
前歯3本を差し歯にするために2カ月くらいかかりました。
治療がどんな風に進んでいたのかはっきり分からないのですが、歯を小さく削って、セラミッククラウンをかぶせて、形を調整したら終わりって感じでした。
最初は1カ月くらいで集中的に治療して終わるのかと思っていましたが、やっぱり神経を取るので、お薬を詰めて様子をみながら少しずつ進めていく必要があるようです。
最終的に出来上がった差し歯をつけるまでは仮歯をしているのですが、硬い物やガムなどを噛まないように言われていました。
セラミック差し歯は希望の形や色を細かく聞いて貰えますが、はじめての差し歯作りということもあり、あまりどうすれば良いか分からないまま返事していました。
あとから思うと、もう少し小さい歯にして欲しかったな…など小さな後悔はあります。
これからセラミックで前歯を作る人は、理想の歯の形をイメージしておいて、歯科医にスムーズに伝えられる準備をしておいた方が良いと思います。
セラミック差し歯の治療で感じた痛み
治療のときの痛みは、削る時は麻酔が効いてましたし、特に痛みは無かったです。
その歯医者さんは特に無痛治療に力を入れている所なので、麻酔注射の前にも麻酔クリームで痛みを無くしてくれますし、痛みに弱い私でも安心して治療できました。
ただ、3本なので時間がかかって、口の開けすぎでアゴが痛くなったりはしましたね。
一気に短時間ではできないということで、日にちの間隔をあけながら何度か麻酔をして神経を取らなくてはいけませんでした。
時間もかかるし何度も通わなくてはいけないし…ということで、痛みよりも身体の負担がしんどかったように思います。
前歯をセラミック差し歯にしてみて…
N先生のおかげで、特にトラブル無く前歯がキレイなセラミック差し歯に変わりました。
ずっと悩んでいた段差も無くなり、なだらかに歯が並んでいるのが嬉しいです。
歯の大きさも、元の歯より一回りくらい小さくなったようで、すんなり収まっている感じがします。
5年経った時の感想
セラミックなので年月が経っても歯は白いまま、歯茎の変色もありません。
普通の差し歯のように根元に黒い部分もないので、自然な感じで続いていて、自分的には大満足ですね。
差し歯を保険が利かないセラミックにしてみて、やっぱり費用の面では痛かったです。
でも、今でも綺麗な状態が続いていて不具合が無いことを考えると、やっぱりあの時思い切ってセラミックにして良かったなぁと本当に実感しています。
セラミック差し歯7年目で歯根に膿がたまった!
そこからまた月日が経ち、差し歯を入れてから7年経った時、前歯の根元がぷくっと丸く腫れていることに気付きました。
歯茎の根元になにか食べ物が詰まっているのかと思ってみてみたら、膿がたまって腫れていたのです。
その時は忙しかったのでしばらく放置していたのですが、そうすると痛みがだんだんと出てきて、1週間後にはズキズキじんじんを痛むようになりました。
セラミック差し歯の膿は歯茎を切って出さないといけない?
セラミック差し歯を作ってもらった歯科医院に行ってレントゲンを撮ってもらうと、ちょうど右上の差し歯の根っこが黒くなっていて、膿がたまっていることが分かりました。
N先生いわく、40代くらいになると疲れが溜まった時に差し歯の根っこに膿がたまりやすくなるのだそうです。
普通の保険適用の差し歯なら、一旦差し歯を外して膿を出し、新しく差し歯を作り直してまた入れて治療終了とのこと。
しかし、私の場合は歯茎を切って膿を出した方が良いのではないかとN先生が言いました。
差し歯の根っこに膿がたまる理由
差し歯を入れた歯根に膿がたまることは、よくあることだそうです。
特に、私のような中年以降になると、若い頃より免疫が弱くなっているため、疲れやストレスが原因で歯の根っこに膿がたまりやすいのです。
差し歯を入れる時には歯の根っこの奥まで治療しますから、健康な歯に比べるとどうしても弱くはなっているんですね。
普段から歯のお手入れや定期検診は受けていたので、「どうして膿がたまったのか?」と不思議でしたが、汚れや虫歯に関係なく、免疫が弱ると膿がたまりやすいと説明されました。
セラミック差し歯の治療は大変
なぜ私の差し歯の膿は通常のように治療ができずに歯茎を切って取るのかというと、それは、私の3本の前歯が繋がっていたからなのです…。
本来なら、差し歯1本ずつが独立しているため、根元に膿がたまればその差し歯だけを取って治療ができます。
しかし私のセラミック差し歯は、担当のN先生の判断で3本繋がって差し込まれていました。
見た目には1本ずつになっているので気付かないのですが、実は繋がっていたのだと、その時にはじめて知りました。
差し歯を繋げた理由は、その方が歯周病になりにくいからだそうです。そのために、簡単には外せなくなっているのです。
ですから、今回のように根っこに膿がたまってしまった場合、治療がとっても難しくなってしまうのです。
セラミック差し歯の膿が治った方法
歯科医から言われた治療法は2通りでした。
- 歯茎を切って穴をあけて膿を取り出す
- セラミック差し歯の繋がっている3本を外して、膿を取ってからまた3本新しく使う
歯茎を切る方法はかかりつけの歯科医院では無理とのことで、設備が整っている口腔外科に出向いて治療を受けると説明されました。
どちらにしても大変な治療だったので、どうしたものかと悩んでいると、「とりあえず抗生剤を飲んでみましょう」とすすめられました。
免疫が弱って膿がたまっている場合は、抗生剤の投与で膿がひくこともよくあるそうです。
なので、1週間分の抗生剤を処方してもらい、とりあえず様子をみることに。しかし1週間服用しても腫れがおさまらず、がっかりしてまた歯科医院に行きました。
N先生も残念そうでしたが、「最後に、別の種類の抗生剤を試してみましょう。それで効かなければ、仕方ないので歯茎を切りましょう」と言いました。
そして処方されたのがジスロマックです。
ジスロマックは3日間服用すれば1週間効き目が続く抗生物質で、歯科医院ではよく出されるお薬です。
「なんとか腫れが引いて膿がなくなりますように…」と祈りながら飲んで見ると、なんと1週間後には歯茎の腫れはひいてしまったのです!
ジスロマックで差し歯の膿が無くなった!
これは本当にびっくりしました。
歯茎の膿なんて切って出さないとダメだろうと思い込んでいたので、お薬で腫れがなくなるとは信じられませんでした。
1カ月くらいひかなかった歯茎の腫れが無くなって、信じられない気持ちで歯科医院に行くとN先生も「良かったね」と喜んでくれました。
ということで、今回のセラミック差し歯の根っこの膿はジスロマックのおかげで完治しました。
それから3カ月ほどたちましたが、今の所再発もありません。
ただ、一度膿がたまると、また疲れた時にたまりやすいのだそうです。歯の根っこに膿をためないためにも、身体に気を付けて免疫力をアップすることが大切ですね。
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