ペットを飼うと生活にハリが出て、精神面が安定する効果があります。
ただ、高齢者だとやはり「きちんとお世話はできるのか」「自分が先に死んだらどうするのか」と、色々な心配が頭によぎりますよね。
確かに高齢者がペットを飼うためには、事前に考えておくべきことがいくつかあります。
でも「飼えない」わけではありませんから、自分なりのきまりを守りながら、ペットとの楽しい時間を過ごしてみるのも良いでしょう。
こちらの記事では、高齢者がペットを飼う時に考えておくべき事を紹介します。
ペットがいると良い影響がたくさんある
犬や猫などの動物を飼って一緒に生活をすると、老後に良い影響を与える事が統計的にもわかっています。
ペットを飼っている60~74歳の男女600人を対象に行なわれた調査によると、「ペットと何となく気持ちが通じる」「ペットと一緒にいると、ほっとする 」「ペットは私を幸せな気分にしてくれる」などの回答が多数ありました。
1人暮らしだと話す相手もいなくて、テレビを観てぼんやり過ごす高齢者も多いですが、ペットがいることで家事をするきっかけができたり、自分がいないと生きていけない存在が出来る事で、「頑張って生きていこう」というポジティブな気持ちにも繋がるのです。
ただ、若い頃に比べると体力も落ちて、出来る事が限られています。
ですからペットを飼う時には、まず「自分はどこまでのお世話ができるか」ということを事前に考えておく必要があります。
高齢者におすすめのペットの種類
高齢者がペットを飼う時は、お世話の負担が軽く、たとえ飼い主に体調の悪い日が続いても問題が出ないくらいの動物を選ぶようにしましょう。
人気のペットと言えば犬や猫がすぐに頭に浮かびますよね。
犬は忠実で可愛いですが、毎日散歩にでかけなくてはいけないので高齢者には不向きです。
その点、猫は散歩の必要が無く、エサと水さえきちんと補充できていれば身体を壊す事もほとんどありません。
1日のほとんどをのんびり寝て過ごしますので、高齢者のパートナーとしては最適だと言えます。
ただ、若い猫だと部屋中を走り廻ったり壁を引っ掻いたりタンスによじ登ったりと、飼い主が手を焼くことも…。
こういったことを避けるためには、4歳くらいからの大人の猫を選ぶと落ち着きが出ていて飼いやすいです。
ペットショップなどでは子猫ばかりが並んでいますが、地域で保護されている猫なら、ほとんどが大人の猫になります。
保護猫の中には病気を持っている猫もいますが、受け渡しの前に検査をしてくれますので、手のかかりそうな猫を避ける事も可能です。
保護猫の引き取りは保健所やNGO団体などが窓口になっています。まずはお住まいの地域と保護猫というキーワードでネット検索をしてみましょう。
高齢者にはうさぎやカメもおすすめ
賃貸マンションなどで猫を飼うのが難しい時には、うさぎやカメなど、ケージや水槽の中で飼えるペットがおすすめです。
小動物は近くで眺めているだけでも癒されますし、かといって生活のペースを乱される事もないので、楽しくマイペースに飼育を楽しむことができますね。
あまりマニアックな動物だとエサや飼育用品を揃えるのが大変になりますが、うさぎやカメだと人気があって、地方のペットショップでもグッズが揃えやすいです。
自分に何かあった時の引取先は必ず決めておく
急に体調が悪くなって入院したり、持病が悪化して亡くなってしまったり…と、高齢になるといつ何が起こるか分からない面も多々あります。
もしもペットの飼い主が突然いなくなってしまったら、取り残されたペットは誰にも引き取ってもらえず、最悪の場合には殺処分される可能性も。
そうならないためには、飼いはじめた段階で、『もしもの時の引取先』を決めておく事が大切です。
普段は離れて暮らしている子供や孫がいる人は、早目にペットの事を話して、「もしも万が一の事があったら世話をして欲しい」と伝えておきましょう。
引き取り手が見つからない時には、有料で引き受けてくれる民間のサービスもありますので、お住まいの地域で探してみて下さい。
ペットが飼える老人ホームを利用すれば安心
ペットの種類にもよりますが、最近は入居する高齢者と一緒にペットも連れて行ける老人ホームが増えています。
飼い主にとっては大切な家族の一員ですから、ペットも一緒に入居できるのはとても心強いですよね。
老人ホームによっては共有スペースにドッグランがあったり、ペット専用にシンクが設置されている所もあります。
ペットと一緒にお墓に入る方法
最近はペットでもきちんと火葬してお墓に入れてあげる飼い主が多くなりました。
ペットと一緒にお墓に入ろうと考えている人は、まずお墓の管理者にペットも一緒に入れるかを確認してから、自分以外の家族にも説明して理解してもらいましょう。
ペットに先立たれた時には自分が入る予定のお墓に埋葬しておけば天国でも一緒にいられます。
自分が先に亡くなった場合も想定して、「ペットが亡くなった時は自分と同じ墓に入れて欲しい」と、周囲にしっかりと伝えておくようにしてくださいね。