高齢女性を中心に被害が急増している『押し買いトラブル』ってご存知でしょうか。
ここ数年の間で右肩上がりに被害件数が拡大していて、2016年度では、明らかになったものだけでも8648件の『押し買いトラブル』が報告されています。
強引に家に上がりこまれて怖い思いをする人も増えていますので、今回は押し買いトラブルの対処法をまとめておきました。
あの手この手で財産を狙ってくる悪徳業者のカモにされないように、あらかじめ対処法を頭に入れておいて下さいね。
押し買いトラブルは上手に回避しましょう!
『押し買い』とは?
押し買いとは、「不用品買取」と偽って一般の人の家に行き、金目のものを、ひじょうに安い値段で強引に買い取っていく業者のことをいいます。
押し買いで主に狙われるのは高齢女性で、最初は笑顔で愛想の良かった業者が急に豹変して脅かしてくることで、恐怖心が大きくなって言われるがままに貴金属などを渡してしまうのです。
押し買いの手口
『押し買い』の典型的なパターンは電話から始まります。
ある日突然、感じの良い女性の声で電話がかかってきます。
「不用品はありませんか?買い取りに伺いますよ」
被害にあった人によると、最初の電話はすごく好感を持てるような話し方をしてくるそうです。
時には、
「東南アジアへ支援のために服や靴を送るので、不用な物を買い取らせてもらえませんか?」
などと、人助けだと思い込ませるような言葉を言ってくる業者もいます。
高齢女性というのは、自分で不用品処分が出来なくて困っている人も多いですよね。
そんな時に優しい声で「自宅に取りに伺います」と言われたり、「支援に協力してください」と言われると、「それならちょうど都合も良いし、助かるわね」なんて思ってしまう人も多いのです。
不用品だけのつもりが…
電話の後、業者が自宅にたずねてくるので、古着や使わないアクセサリーなど、本当にいらないものだけを買取してもらおうと玄関先で見せます。
すると、業者は「もっと何か無いですか?」と強引に聞いてくるのです。
「腕時計は無い?」
「万年筆は?」
「指輪は?」
さっきまで笑顔だった業者が急に怖い顔で質問をたたみかけてくるので、高齢女性はこの時点でビックリして、怯えてしまいます。
もう無いです、と言って帰ってもらおうとしますが、一度家にいれたら最後、業者は納得のいくものを買い取れるまで帰りません。
業者によっては、「本当に無いか一緒に探す」と言い出して、家の中に勝手に上がり込むケースも少なくありません。
日が暮れて夜になっても帰ろうとしない業者に、被害者の恐怖心はどんどん大きくなっていきます。
「あと1つ何か見せてくれたら帰りますよ」
「見せてくれるだけで帰りますから」
脅すように言ってくる業者に「帰って欲しい」という一心で、被害者は自宅にある貴金属を集めて、業者に見せてしまいます。
すると、業者は「見るだけ」と言ったにもかかわらず、勝手に査定をはじめ、貴金属を奪い取ってカバンに入れてしまうのです。
「困ります」「返して下さい」
被害者がそう言っても意に返さず、領収書とお金を置いて帰っていきます。
買い取り価格は通常よりかなり安く、50万円くらいのものが1000円や500円など、普通で考えたらあり得ない金額です。
『押し買い』の被害に遭わないためには
押し買いの典型的なパターンを紹介しましたが、「自分だったら被害に遭わない、大丈夫」と感じた人も多いのではないでしょうか?
でも、こういう人の良心につけこんだトラブルは、「自分は大丈夫」と思っている人ほど騙されてしまうという傾向もあるのです。
使わない不用品が人助けになるなら…家まで取りにきてくれるなんて助かるし…
そうした心の隙をついてくるのが悪徳業者ですから、被害に遭わないためには、最初から警戒心を持って接していくことが大切になります。
トラブル回避の対処法
押し買いは、家にくる前に電話でアポイントメントを取ってくるケースがほとんどです。
ですから被害に遭わないためには電話の段階で、毅然とした態度で断りましょう。
「不用品はすでに処分しているから無いです」
買取は必要無いことをしっかり伝え、それでもしつこい業者には「そんなにしつこく言われたら困ります、警察に相談しますよ」と伝えてみましょう。
とにかく最初にしっかり断れないと、その業者だけでなく、別の業者にまで狙われる結果になりかねません。
直接強く言うのが苦手な人は、自宅の電話で番号通知を利用して、知らない番号には直で出ないようにした方が良いと思います。
家に直接たずねてきたら…
押し買いの業者の中には、電話も無しで飛び込みで自宅に来るケースもあるそうです。
いきなり家に来られると不安ですし、どうしたら良いか分からなくなりそうですが、ここでも毅然とした態度で対応しましょう。
そもそも、飛び込みで人の家にセールスに行くことは法律で禁止されていますので、いくら親切そうな人だったとしても、家には入れないように気を付けて下さいね。
不用品買取なら信頼できる業者に
家の中に処分したい物品が多数あり、不用品をどうしようかと悩んでいるタイミングで「家に取りにいきますよ」と言われると、「なんだか知らないけど助かるわ」と思ってしまうこともあると思います。
でも、やはりオイシイ話には裏があるもので、業者も自分にとって何のメリットも無いのに家に来てくれたりはしないです。
最近は、不用品買取も宅急便を利用して簡単に受け付けてくれる業者が増えているので、自分でリサイクルショップに運び込むのが大変な人は宅配買取を利用するのがオススメです。
悪徳業者のカモにされないように
押し買いのトラブルはまるで強盗のような手口で、実際に家に来られたらどうしようと不安になってしまいますよね。
被害に遭わないためにはかかわらないことが一番なので、知らない人の親切には、少し警戒をした方が良いのかも知れません。
万が一、押し買いの被害にあったとしてもクーリングオフは適応されるので、諦めずに消費者センターや警察に相談をするようにしてくださいね。