あの手この手でどんどん進化する新手の詐欺。最近増えているのは、ビットコイン口座を利用した詐欺です。
詐欺にビットコインってどういうこと?
と、不思議に思うかも知れませんが、ビットコインだからこそ、詐欺グループ側にはメリットがあるのです。
今日は、ビットコイン口座を利用した詐欺のカラクリと、若者からお年寄りまで、誰もが気を付けたい新手の詐欺についてまとめてみました。
ビットコイン口座を利用した詐欺とは?
オレオレ詐欺や架空請求詐欺など、詐欺には様々な種類がありますよね。
詐欺の種類によってやり方も色々、ターゲットも色々なのですが、全てに共通していることは、「お金」を目的にしているということ。
ですから、詐欺グループの最大のテーマは「どうやって簡潔にお金を受け取るか」なのです。
様々な方法で被害者を騙せたとしても、振り込ませるために行かせた銀行のATMに警官や警備員がいて声をかけられたりすると…そこで計画は台無しになってしまいます。
また、少し前にはメール便で送らせたりもしていましたが、住所が知られるというリスクも。
そこで、最近では「Amazonギフトカード」や「iTunesカード」をコンビニで買わせる手口が横行していたものの、それだとギフト券番号を被害者から伝えてもらう必要があり、手間やリスクが大きくなります。
詐欺グループ側がそうした「反省材料」をもとに、「もっと効率良くスピーディーにお金を受け取れないものか」と悩んで考えだしたのが、ビットコイン口座を利用した新しい詐欺だったのです。
ビットコイン口座が詐欺に利用される理由
新手の詐欺でビットコイン口座が利用される理由はこの3つです。
- ビットコインなど仮想通貨の口座は、本人確認が甘くネット上で簡単に開設できる
- ビットコイン口座への入金はコンビニで手軽に行なえる
- 口座に入金されたお金を仮想通貨に交換すればアシがつきにくい
ビットコイン口座の開設は簡単?
まず、仮想通貨の口座開設ですが、免許書など身分証明書の画像さえ送れば誰でも簡単に出来てしまいます。
今年の4月に改正資金決済法が施行されるまでは、身分証明書の確認さえしなくて良かった取引所もあり、今でも口座開設の審査は銀行口座に比べてかなり緩いと言われています。
偽造の身分証明書で口座を開設している詐欺グループもいるようですが、まだまだ取引所の対応は追い付いていないのです。
そのため、銀行口座に振り込ませるよりビットコイン口座に振り込ませた方が、詐欺グループ側にとってはメリットが大きいと言えます。
コンビニから入金させる手口
ビットコイン口座への入金は、コンビニ端末で簡単にできるようになっています。
詐欺グループは、アダルトサイトや漫画サイトを名乗り架空の利用料金を支払うように迫り、料金の支払いはコンビニの端末で出来るとして、被害者にビットコイン口座へ入金させるのです。
- 詐欺グループは、漫画サイトやアダルトサイトを名乗って被害者に利用料金の支払いを迫る
- 裁判をちらつかせながら、回避するためにはコンビニに行き、端末を操作して支払い番号を入力するように指示
- 被害者が端末から出てきたレシートをレジに持って行き、支払いをすると詐欺が完了する
被害に遭った金額を取り戻すことは不可能…
詐欺に遭い、ビットコイン口座に入金させられたら、それを返してもらうことはほぼ不可能です。
なぜなら、被害者から入金されたお金はすぐに仮想通貨に交換され、別の口座に送金することで詐欺グループは追跡を困難にしているからです。
国民生活センターの注意喚起でも、「被害を取り戻すことは非常に困難」と書かれています。
コンビニ払いを指示する架空請求にご注意!第2弾−新たな手口として仮想通貨購入用の口座が詐欺業者に利用されています−(発表情報)_国民生活センター
こうした詐欺の被害に遭わないためには、見に覚えの無い請求については自分で確認ができるまで支払わないこと。
「怪しい」と思ったら、自分で判断せずに身近な人に相談することが大切です。
国民生活センターの電話相談もありますので、不安な時には相談してみることをおすすめします。
国民生活センターの消費者ホットラインは、局番無しの188(いやや)です。
最近増えている詐欺の種類
今まで詐欺と言えば、息子や娘を語ってお金を振り込ませたり、還付金を受け取れますよと騙してお金を入金させる詐欺が多かったです。
しかし、最近増えている詐欺は、誰にでもある人間の欲望を利用した詐欺なのです。
たとえば、若い人にありもしない投資話を持ちかけて大金をだまし取ったり、「異性とデートするだけでお金が貰える」と騙して高額な登録料をだまし取ったり。
冷静に考えれば「そんなうまい話しがあるはずない」と分かりますが、騙されている最中にはついつい自分に都合の良いように考えがちなので、「そういうこともあるのかも…」と、どんなに無茶な理論でも納得してしまう人もいるようですね。
やっぱり世の中そんなに甘くはないですから、「うまい話」ほど疑ってかかった方が良いのでしょうね。
ビットコインや仮想通貨の詐欺は他にも
上記で紹介したのはビットコイン口座を利用した詐欺ですが、その他にも、強引に仮想通貨購入の契約をさせてトラブルになっているケースが急増しています。
中には、ネットを使っていない高齢者をターゲットにして無理やり仮想通貨の購入名目で大金を支払わせたものの、仮想通貨はネット上でしか管理が出来ないために、被害にあった高齢者は自分がどの通貨をいくら買ったのかさえ把握できていないという事例もありました。
こうした仮想通貨絡みの詐欺は今後も増えていくと思うので、騙されないように気を付けて、高齢の家族がいる場合には注意してあげないといけないですね。