急激な円高・株安の影響もあり、日本経済の先行きに不安を感じる人も増えてきていますよね。
お給料が増えないわりに税金や年金は上がっていくので、「少しずつでも節約して生活を安定させなくては!」と、頑張っている人もたくさんいると思います。
ただ、働いていても貯金ができない…と嘆く人がいる一方、若くてもコツコツ着実に貯めている人も実は多いのだそう。
「ウーマンエキサイト」というサイトの調査では、30代の6人に1人が1000万円以上の貯金を達成しています。
30代で貯金が1000万円あれば、すごく豊かな生活が送れるんじゃないの?
と思いますが、実際にはそんなことはないようで、「貯めても貯めても不安が消えない…」「先が見えない」と感じている人がすごくたくさんいるのです。
ある程度の貯金額があって、仕事についているにもかかわらず、お金の不安が消えない。
その背景にはいったい何があるのか、考えてみました。
一体いつまで貯めれば良いの?
貯金があっても先が見えないと感じている人の最大の悩みは、「いつまでにどれだけ貯めれば良いのか分からない」ということだそうです。
つまり、いくら貯金があればお金の不安がなくなるのか分からないと。
なんだか本末転倒のように感じますが、確かに「いくらあれば安心なのか」は人によって違いますし、明確な金額というのは分かりにくいですよね。
例えば1億円あれば安心かもしれませんが、普通のサラリーマンにとって1億円は現実的な金額ではありません。
お金の不安を無くすために貯金を始めても、残せる金額は限られていて、結局不安が消えない…
「お金について先が見えない状態」って、結構きついものがあると思います。
お金は何のためにある?
もしも子どもがいれば、習い事だの旅行だの、受験だの進学だのと、こちらがお金の使い道を考える暇もなく、なんだかんだとイベントが迫ってきてむしり取られるように諭吉が財布から飛んでいきますよね。
でも、独身だと収入はすべて自分のために使えるので(親への仕送りや寄付なども自分が選んで実行できます)、使うも使わないも自由です。
とはいえ、毎月の給料をまるごと使い切ってしまっては将来なにか大きなお金が必要になった時に困りますし、貯金をしておくことで自分の生活を守れるという安心感を得ることができます。
何かあった時に使える300万円があったら安心です。600万円だったらもっと安心です。1000万円だったら、もっともっと安心、でしょうか?
わたしは、お金は使うためにあるのだと思っています。もちろん何かアクシデントがあった時のためにある程度のお金は必要ですが、それが確保できたなら、あとは使ってしまって良いのではないでしょうか。
働いて、お金を得る。
わたしの友達で、とある企業のシステムエンジニアをしている人がいるのですが、その人は40歳までに「リタイア」するのを人生の目標に掲げているのです。
そのため、リタイアしたあとの人生を全うするためのお金を一生懸命貯めています。下北沢の自宅には土日しか帰らず、平日は会社に泊まり込んで、働いて働いて働いて。
でも、いくら稼いで貯め込んでも、働くことを辞めるためには相当の金額が必要ですよね。1000万円くらいじゃ、全然生きていけません。1億あっても、それを何かに投資しない限りは難しいです。
今は外で働かずに自分の好きなことをして生きていきたいという若者が増えているそうですが、そんなにコンパクトな人生を送って本当に楽しいのかなって、思ってしまいます。
稼いで、使う。また稼いで、また使う。
その繰り返しが、人としての幸福感に繋がっているので、使いたいから稼ぐ、そのために自分の目標を決める。というのが、健全な貯金の方法であるのかも知れません。
先行きは自分で決めるもの
1000万円貯金しても不安だったり、先行きが見えないと感じる時は、まず自分の貯金額のうち、何にいくら使うかという具体的な使い道を考えてみるのもおすすめです。
コツコツしっかり貯めている人は、将来について漠然とした不安を抱いている人が多いです。いつか何かが起こったら使おうと思っているからこそ、頑張って貯金しているんですよね。
それなら、そうした「不安なできごと」が起こった時にどれくらい必要なのか予算を立てて、自分の貯金から振り分けてみて下さい。
例えば、自分が病気をした時に必要になりそうな金額、自分磨きのために使ってみたい金額、親孝行するための金額、いつか結婚するときのための資金、などなど。
具体的に名目を決めたら、本当に必要なお金がどれくらいなのかが分かってきますよね。そして、総額でいくらあれば安心なのかがはっきりすれば、貯金のゴールが見えて安心感につながります。
お金をどれだけ貯めても、ほとんどの人は仕事を続けていますし、「稼ぐ」という行為をやめて生きていくのは実際には難しいのです。
それなら、貯めることばかりにこだわらず、どれだけ有意義にお金を使えるかということに目を向けてみても良いのではないでしょうか。