おひとりさまにとって一番の心配事といえば、老後の生活費のことではないでしょうか。
老後にいくら年金がもらえるのか、その金額で充分に生活ができるのか、不安に思っている人も少なくないのです。
老後のお金の不安を解消するためには、収入の柱となる年金の仕組みと支給額を知っておく事が大切です。
こちらの記事では、おひとりさまが受けられる年金の種類や金額など、老後のお金のことについて詳しくまとめました。
おひとりさまと年金制度
日本の年金制度は3階建てになっていることはご存知でしょうか。
まず年金の土台となる1階部分が「国民年金」、その上に乗る2階部分に「厚生年金」という会社員のための年金、そして3階部分には「企業年金」などが上乗せされます。
この年金の3階建て、1階の国民年金のみ加入している人もいれば、3階まですべて加入している人もいます。
人によってどの年金に入っているのかを区別するために、被保険者は1号2号3号と、呼び方を変えることになっていますが分かりにくい面もありますので、ここで簡単にそれぞれの違いを説明しておきますね。
第1号被保険者とは?
自営業やフリーターなど、正社員として会社に属さずに国民年金のみ加入している人は第1号被保険者となります。
国民年金と合わせて任意で国民年金基金にも加入していた人も第1号被保険者ですが、支給額が国民年金のみの人よりプラスαがつきます。
第2号被保険者とは?
民間企業のサラリーマンや公務員は第2号被保険者になります。
サラリーマンの場合は国民年金と厚生年金の2種類か、それプラス、厚生年金基金まで3種類加入している人もいます。
公務員の場合は必ず国民年金、共済年金、職域相当部分の3種類に同時に加入しています。
第3号被保険者とは?
第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている人のことです。
分かりやすく言うとサラリーマンや公務員の妻で、専業主婦として自分では年金に加入していない場合ですね。
第3号被保険者は保険料を納めなくても良い事になっていますが、離婚や死別でおひとりさまになった後でも、夫が支払っていた国民年金や厚生年金を65歳から受け取る事が可能です。
夫と死別したら遺族年金が一生支給される
夫と死別しておひとりさまになった女性には、遺族厚生年金か遺族基礎年金が支給されます。
それまで一家の大黒柱だった夫が亡くなった場合、生活費の不安はかなり大きなものになりますが、こうした公的年金があることで不安が軽減されますね。
遺族厚生年金をもらう条件ともらえる金額
遺族厚生年金はサラリーマンだった夫が亡くなった場合に、妻に支給される年金です。
夫の平均月収や子供の人数によって金額が決まりますが、平均額として18歳未満の子供が2人いる女性で約15万円、子供がいない60代の女性だと自分の老齢年金と合わせて約10万円程度になっています。
遺族基礎年金をもらう条件ともらえる金額
遺族基礎年金は夫が自営業などで国民年金のみ加入していた場合の遺族年金です。
遺族厚生年金と違い、基本的に18歳未満の子供がいない場合には支給されません。
遺族基礎年金でもらえる金額は子供2人の家庭で約10万円で、遺族厚生年金に比べると金額が少なくなっています。
離婚後や死別後は自分で年金に加入しよう
夫と離婚したり死別した後も、夫が支払っていた分の年金は支給されます。
たとえ専業主婦で自分自身では年金保険料を納めていなかった人でも、夫婦だった期間に夫が納め続けた年金保険料については、妻にも受け取る権利が認められるというのは嬉しい仕組みですよね。
ただやはり、離婚後や死別後のおひとりさまに支給される年金は普通より少なくなりますので、老後の不安を解消するためには、自分自身が働いて厚生年金か国民年金に加入しておいた方が良いでしょう。
おひとりさまの年金パターンは?
おひとりさまの年金パターンとしては、独身時代に会社勤めをして第2号被保険者になり、結婚後に第3号被保険者になって、その後にまた第2号被保険者になるケースがほとんどです。
年金は保険料の支払い期間や支払額が多いほど、受け取れる年金の金額も増えていきます。
ですから、働けるうちは正社員として仕事をして、年金保険料をきちんと納め続けた方が老後の安心に繋がるといえるのです。
年金の支給額を増やす方法
年金で受け取れる給付額は年々引き下げられるとも言われ、もはや年金だけで老後を生き延びることは難しくなってしまいました。
しかし、だからといって貯金をしても低金利ですから増やす事は難しいです。
年金の支給額をどうにか増やして、老後にお金に困らない生活をしたい。
そう思っている人の中で注目されているのが『iDeCo(個人型確定拠出年金)』です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)で老後の不安を解消する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は年金3階建ての3階部分にあたります。
役割としては、厚生年金や国民年金だけでは足りない部分を補うための年金制度。2011年にスタートし、2017年に加入対象範囲が広がりパワーアップしました。
公的年金と確定拠出型年金の違いは、老後に受け取る年金額が運用成績によって変わってくる事です。
つまり、自分の運用指示がうまくいけば老後に受け取る年金額が増えていくのです。
それ以外にも税制上の優遇制度もありますから、老後の年金に不安を抱えているおひとりさまはiDeCo(個人型確定拠出年金)のメリットだけでも覚えておいて下さい。
iDeCo(個人型確定拠出年金)のメリット
- 積み立てた掛け金全額が非課税になる
- 運用で出た利益に税金がかからない(普通なら20.315%かかります)
- 老後に受け取る時にも税が控除される
このように、iDeCo(個人型確定拠出年金)には税金面での優遇がたくさんあるので、老後資金を銀行で貯金しておくくらいなら、iDeCoで運用した方がお得になりますね。
老後に受け取る年金のことは元気なうちにチェックしておこう
老後に不安を抱えながら生きている人は多いですが、具体的に対策を考えて実行する人は少ないです。
「いつか考えよう、動き出そう」と思っているうちに年齢を重ね、若い頃のように元気に動き回れなくなってから後悔することもあるかも知れません。
老後の不安はなるべく若いうちに解消しておいた方が、そのあとに何が起こっても困らずにすみます。
そのためにはねんきん定期便などで将来受け取る年金の額をチェックして、足りない分はどうするか、貯金するかiDeCo(個人型確定拠出年金)で運用するか、具体的に考えておく事が大切なのです。
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