最近、ネット上で「PTA活動が嫌だ!」っていう意見を立て続けに目にしました。
『PTA問題』は有名人の方の意見とかもニュースになってたり(菊池桃子さんとか)、色々と根が深いように感じますね。
PTA活動の負担の大きさって家庭環境によって差があるので、どうしても、平等にはいかないのかなぁと感じるのです。
専業主婦で経済的にも余裕のある家庭は、PTAの仕事をする時間も作りやすいでしょうし、たとえ共働きでも実家のサポートがあれば、育児や家事を手伝ってもらえる分、PTA活動もやりやすいという面はあると思います。
ただ、専業主婦でも障害児のいる家庭や親の介護がある家庭もあり、他人には分からない様々な事情を抱えている家庭もあるわけですから、「◯◯だから」と一括りにはできないのが難しいところです。
そもそもPTAは元を正せば「子どものために出来上がった組織」なんでしょうに、なんでここまで複雑になって、時には憎まれるようにまでなってしまったのでしょうか。
今日は、自分の役員経験も踏まえながら、PTA問題について考えてみたいと思います。
PTAに怒っている人達
今日投稿されたはてな匿名ダイアリーでも、PTAの不満が書いてありました。
記事に書かれている内容は、私がこれまでに読んだPTA批判とほぼ同じものでした。
「PTAが嫌だ、無くなれ!」と思っている人というのは、お仕事をされているお母さんが多いようです。つまり、兼業主婦ですね。
そして、平日に仕事が休めないため、平日に行なわれるPTAの作業がすごく負担に感じているのです。
平日に仕事がある場合、当然、役員決めの時に「平日は仕事が休めません」と事情を申し出ているわけですが、その時には「大丈夫」「みんなで協力するから」などと言われて、「仕事があるのにPTA活動をできるだろうか」という不安を抱えながら渋々役員を引き受けているようです。
私もこれまで何度も年度始めの役員決めには立ち会ってますし、自分自身も役員になったので、「仕事をしていても役員にならざるを得ない状況」がはっきりと想像できます。
「できないんです」「無理です」と言っても聞き入れてもらえない。それがPTA役員なんですよね。
PTAは任意加入といいながら、役員を免除してもらった人を今までに見た事がありません。
私の子どもが通っている学校では、PTA免除が許されるのは妊娠中の人だけでしたが、それもその年だけです。
「今年は免除したんだから来年はやってね!」
と、自動的に次の年の役員に決められてしまい、生後一歳未満の赤ちゃんを抱えて役員活動するという仁義なきルールもありました。
なぜ、ここまでしてPTA活動が押しつけられるのか?
PTAなんてやりたい人がやってれば良いのに、なんでここまでして押しつけられるんだろう…
と、不満を口にする人もいます。
PTA活動は任意といいながら、半ば強制的にやらされるのはなぜか?
それは、PTA活動なんて誰もやりたくないからです。
「だって楽しそうにおしゃべりしてるじゃない。やりたくてやってんでしょ?」って、思うかも知れません。
でも違うんです。
みんな嫌だけど、嫌々やってると余計に悲しくなるから、「なんとか楽しもう」と無理して頑張っているんですよ。
いい年したおばさんが集まって仏頂面して作業してたら、それこそ地獄じゃないですか。
女性ってすごく適応能力に優れていて、どんな状況でも楽しもうとするし、傍目から見ても「楽しそう」って思われるようにふるまうんです。
心の中ではどんなにストレスを抱えていても、他人に伝わって嫌な気持ちにさせないように気配りができる人ってすごく素敵だと思います。
私もPTA活動は好きじゃなくて不満はたくさんありますが、それでも学校や子ども達のために一生懸命頑張っているお母さん達を見ると、「すごいなぁ、えらいなぁ」って感心してしまいます。
自分が出来ないことを楽しそうにやってくれている人がいるなら、まずは感謝の気持ちを持つことが大切で、それは自分がPTAを出来るか出来ないかとは分けて考えなくてはいけないのです。
PTA活動はムダな仕事ばっかり?
PTAへの不満では、「やらなくていいことばかりやっている」という意見も多いです。
私もこれには同感で、PTA活動では、「大切な仕事」と「どっちでも良い仕事」は分けて優先順位をつけた方が良いと思います。
私の子どもの学校だと、「行事ごとの写真撮影をして学校だよりを作る仕事」があるのですが、そもそも学校だよりは校長先生からのものがありますし、そのほかに学年だより、学級だよりと2種類もあるので、それ以上にわざわざPTAが独自に作る必要は無いと思います。
学校だよりに使う写真を撮るために遠足や校外学習にまでついて行くのですが、「プロの写真屋さんが来ているのになんで?」って、いつも思ってました。
でも、PTA発行の学校だよりはもう何年間も続いていて、お仕事もシステム化されているので、よほどのことがないかぎり続いていくのだと思います。
もしやめたら役員の負担はかなり減らせられますし、印刷代や交通費などの節約にもなるでしょうね。
他にも、「夏まつりのパトロール」っていう仕事も、警察や学校の先生が定期的に回っているのだから行く必要が無いなと思ってました。
夏まつりなんて、みんな自分の子どもと一緒にいたいのに、なんでパトロールなんてさせられるのか…
役員だった頃はすごく理不尽に感じてました。
小さい子供さんがいる役員さんだとベビーカー押してて、もはやパトロールというよりお散歩でした。
PTA役員とはいえ全員普通のおばさんです(たまにおじさんもいますが)。そんなのが2,3人歩いていても、たぶん何の効果も無かったように思います。
何かしらの業績(不良に注意したとか、迷子を保護したとか)も、これまで1度も無かったみたいですし、一体なんのためにやるのか不思議でした。
あと、役員向けの茶道教室とか講演会とかも、参加者を集めるのが大変で、1クラス何人集めろとかのノルマもあったので、最初から企画しない方が良いような気がします。
こう考えると、本当にPTA活動ってムダなことが多いですね…
ムダと言い切ってしまうとダメですが、少なくとも生活のために働いている人が仕事を休んでまで活動することじゃないように思います。
お互いの理解が必要
PTA活動って私も苦手ですし問題点もすごく色々あると感じるのですが、でも登下校の見守りや運動会などの行事の手伝いなどは、我が子を学校に通わせている以上、協力して当たり前の活動ですよね。
PTA活動に反対の人でも、こうした「本当に子どものためになる仕事」だったら理解しやすくて協力もしやすいのだと思います。
PTAはムダな仕事が多すぎて、こうした大切な仕事が霞んでしまっているのも問題点のような気がするんですよね。
どちらの意見ももっともだから…
PTAの最前線で頑張っている人達が、協力的じゃない保護者に腹が立つ気持ちは分かります。
一方で、「日々のことで精一杯なのに、これ以上の負担は背負えないことも分かって欲しい」と、悩んでいる人の気持ちもよく分かります。
ですから、やはり仕事に優先順位をつけて、それぞれのライフスタイルに合わせた仕事を分担することが大切だと思うのです。
最初にも書きましたが、「◯◯だから」という決め付けはせずに、「自分ができることは何か」と、少し考えて見るのも良いですよね。
やれること、使える時間は人それぞれだけど、「平日来れないから役員はできない」ではなく、「平日の昼間は来れないけど、事務作業なら夜にできますよ」とか、自分自身で考えて行動してみた方がうまくいくかも。
私の経験を思い起こしても本当に大変でしたし、議事録のテープ起こしの仕事で徹夜したこともあったので「PTAしんどい〜」ってなりましたけど、自分だけじゃなくみんなが大変なのも分かってたので(サボってた人や無断欠席ばかりの人もやっぱりいますけどね)、もしも役員にあたったら1年間は覚悟を決めてやり通すしかないのかなぁとは思っています。
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